好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

じっと見つめていたい

なまえをわすれたら

「あそびましょ」で

いいでしょ

 

一年生の詩。そう、これでいいんだね。

取材で出会った人の本を読んでいてこんな話に出会った。

最近の子どもの虐待、イラクなどへの爆撃で子どもたちが殺されていることを知ると、苦しくなり、こんなにもおおらかだった童心世界が私たちにもあったことが信じられなくなる。子どもの世界だけではない。大人、なかでも年齢を重ねた人向けの売らんかなの洪水。マスコミ、新聞、テレビなどはおびただしい健康おすすめ情報で占められ、なんでもありのハウツーものの氾濫。そんなに頑張って生きたいと、みな、思っているのかいと大いに疑問になる。違うぞと。ある画家が96歳のときの作品に添えた鮮烈な言葉とはー「地面に頬杖つきながら、アリの歩き方を幾年も見ていて分かったんですが、アリは左の二番目の足から歩き出すんです」。なんとみずみずしい発見。いつも地べたをはって昆虫やらを見続け、新鮮な驚きを描き続けた画家だった。この「じっと見つめる」行為ってすごい。星を見続けたガリレイは「それでも地球は動く」と確信したし、「じっと見つめて」ニュートンはリンゴが落ちる法則を考えたとか。あの手この手の対策ばかりに気を取られないで、今日は「じっと見つめて」みたい。人間関係のおおらかさという温もりがあったはずだから。