好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

家族の問題を、取り上げた読書室

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家族の変遷について、上野千鶴子著「近代家族の成立と終焉」.石井美智子著「人工生殖の法律学」をもとに学び、交流しました。

歴史からさぐると、常に支配する者に人権もなにもかも無視される扱いを受けてきた女性。武士階級の「家」は、女性を生産労働から排除し、性的自由を奪い、妻、母として幽閉したとの指摘。でもどんな時代でも、人間らしく生きたいともがき、声を上げた女性がいたことを知ると、その勇気に胸がつまつてしまいました。

駒沢善美著「魔女的文学論」によると、「闇夜行路」も「夜明け前」も、家長責任に耐えかねた弱い自我のうめきが。石川啄木太宰治も、弱者の文学と言いつつ家庭内では家長であり、被害者の文学と言いつつも、実は加害者の文学ではなかつたのではないたわろうか。無責任で弱い家長のもとには、被害を受ける妻子がいたのですから。

 

また家庭の変遷では、人工受精をとりあげました。相当な数の子どもが生まれていること、親子とは何か、考えさせられました。家族の変容とは、家族を、構成する個人個人が変容してきているということなのでしよう。

宮部みゆきの「理由」.角田光代の「ひそやかな花園」.上未映子の「夏物語」などから意見を出し合いました。

 

次回は9月25日 宮部みゆきをとりあげます。