好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

読者からのおすすめー先週のETV「100分de名著・ショック・ドクトリン」(2007年/ナオミ・クライン著)紹介・堤未果氏

堤氏は私も一度インタビューしました。

第2回は6/12夜

新自由主義の旗手ミルトン・フリードマン(1912-2006年)による経済的ショック療法といわれる最初の社会実験がチリで行われたとのこと。

1970年選挙で誕生したアジェンデ政権が、鉱山の国有化や社会保障の拡充などの政策を進めようとしていた時、鉱山株式の7割を占める米国企業が危機感を強めニクソン政権を動かし、チリ軍隊内にCIAを潜入させ、1973年9月11日ピノチェトによるクーデターを起こして軍事政権を樹立。スタジアムに集められた多くの人々を虐殺!

背後には、1950年代からフリードマン新自由主義を学ばせるためにシカゴ大学へ青年たちを留学させていたシカゴ・ボーイズの動きが。企業と政府の密着による政策を実現させたわけ。

その後行われた「チリの奇跡」―1)クーデター2)民営化(新自由主義)3)外国資本の参入(多国籍企業)で、国内市場が国外に開放され市場経済が劇的に変化する中、富裕層は83%の増収に、一方で375%というインフレと高失業率で国民生活は疲弊していきました。

次の例は1980年代イギリス・サッチャー政権の手法。強固な民主主義国家としての基盤を持つ英国では元々急激な変化、政策変更は難しいとされたが、1982年フォークランド戦争を機に支持率低迷していたサッチャー政権の支持率が上昇、国内では炭坑労働者争議長期のストが続いた(1984年)中で労働者を弾圧、公共を民営化する(航空、ガス、水道)政策を推進。

サッチャー氏もシカゴ・ボーイズの一人であり、世界各国に(もちろん日本にも)いるといいます。1)規制緩和2)社会資産の民営化3)社会保障の削減を推進。1)二極格差2)好戦的ナショナリズムを特徴としますが、今の日本に同じでは。

堤未果氏は、2011年の東日本大震災の後、次は「日本が標的にされる」と感じたとか。