好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

4月27日の「女性作家で楽しむ読書室」は、円地文子の『女坂』

4月27日の読書室は、昭和を代表する女流作家・円地文子。『女坂』を中心に交流しました。家や夫に縛られた女の一生を、坂を登り続ける苦しみにたとえて描いています。話してくれた元司書の方は、同時代に活躍した樋口一葉の『にごりえ』『十三夜』『いやだと云ふ』などの作品も紹介。30代に片方の乳房を切除、40代には子宮摘出という大病を患った円地文子は、この辛い経験を通じて女性を鋭く見る目を養ったといわれています。どの作品も女性が人として生きることをはばまれ、報われない生き方を虐げられる中、最後まで自分を捨てずに生き抜いたことが強調され、参加者からは「こういう女性たちがいたからこそ、今があるんですね」としみじみ語られました。

次回は7月27日土曜 林芙美子の『晩菊』を中心に取り上げます。