好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

2019-01-01から1年間の記事一覧

生きていくには

毎年第九の合唱・コンサートに呼んでくれるのは86歳のAさん。ガンの闘病中です。いつ舞台から降りなければならなくなるか、不安がないと言ったらウソになると言いますが、毎年、第九が歌えることを生きる糧としています。 声が出ない、朝起きられない、激痛…

今も続く「戦争」

ベトナム残留日本兵をご存知でしょうか。 以前、私が出版(『越後のBaちゃんベトナムへ行く』)を手伝い、松阪慶子主演で映画化もされた著者・ハノイ在住の小松みゆきさん(70)が、この家族をずっと追いかけていてこのほど、彼女がコーディネーターのドキュ…

感性を磨く

12月のエッセイ塾ではモノを書くには五感を練る修業に心を配る大切さを話し、具体例を紹介。私の一番好きな 作家・三宮麻由子の作品です。耳が不自由な方です。味わってください。 あれは住宅地に降り注ぐ雨の真っただ中にたたずんでいたときだった。私 の耳…

12月のエッセイ塾では出版パーティーを開きました。前月ももうひとり出版したのですごいこと。 エッセイ塾では生徒さんが本にまとめると、必ず出版パーティーでお祝いします。一品持ち寄り。本にまとめるのは大変な努力が必要です。特に今回の本は長年胸につ…

いつか使う日のための、写真撮りました

先日、「すてーじ・刻」のスタッフと、自然を謳歌しつつゆっくり昔ながらの旅館でおしゃべりを楽しんだとき、話題になったのが、「これから」のこと。 ひとりが持ってたチラシが、記念写真を撮りませんかというもので、惹かれました。あの日がそう遠くない私…

女性誌『ウィメンズ・ステージ』48号発行しました

今号はなかなか厳しい世の中にあって、どう向き合うのか、いろんな角度で取り上げています。「いやなものはいや」と言える自分。あきらめない自分。何十年かかっても大事なものは守り続ける自分。考えさせられる特集となりました。

今日幾ついいこと、あった?

いろいろ嫌なこともある日々だけれど、楽しめたらしめたもの。私は何かの集まりで、こんな質問をする。「ここに来るまでに、嬉しかったこと、4つあげてほしい」。 例えばこんなこと。信号がたまたま青になった、買いたかったパンがあった、電車の隣の席の人…

バイオリニストの連れ合いとして、自分はどう生きる?

バイオリニスト・アテフ・ハラムの演奏会に来ています。お連れ合いの森明美さんを取材。アテフ氏はエジプト人の父とフランス人の母の間にカイロ生まれ。エンジョイ、ベートーベンシリーズ等が人気。今日はバッハの「タイスの瞑想曲」.バッハの「シャコンヌ」…

50,60は花ならまだ蕾

『50、60は花なら蕾、70、80花盛り』のの著者は109歳で亡くなった声楽家の嘉納愛子さん。旧家の造り酒屋の男性と結婚、一時は音楽から離れたものの、ひとり息子の死を機に音楽活動を再開。大学などで80歳近くまで教鞭をとっていました。百七歳のときには「百…

化粧水作ります

友人に教わり、早速つくりました。焼酎720ccに柚子の種を5個分入れます。種は洗わないこと。あのツルツルのネバりがヒケツなので。3か月後には酒の匂いが消え、ほのかな色がつくらしい。彼女はもう何年もこれ1本で、女の勝負してる。さて、どうなるかな!

夜は長い

昨日は午前4時まで、雑誌の作業。さすが目が覚めたのは午前11時過ぎ。何時間寝たかな、と確かめて、まあいいか。 そして今日も作業は続く。一つのページを仕上げるのに、半日はかかる。文字の訂正はむろん、ページからはみ出たり、見出しがページをまたいだ…

悩みは尽きない

来年1月に、ある婦人団体から新春の集いの講演を頼まれ、先日役員4人と打ち合わせ。何をしゃべるか、何を聞きたいのか、話し合ってて、納得。みんな悩んでる。 「これからどう生きるのか」「ひとりになったら不安」「結婚しない息子が心配」「忙しいだけで…

歳を重ねての移住は?

東京から熱海に引っ越したのはひとり暮らしの78歳のAさん。どうして?と、訪ねた。 ひろびろとしたワンルーム。窓から海が一望できる。温泉付きケアマンション。遊びや習い事の部屋もあり、客用の部屋もあるし、看護師も常駐。まあお高いのではと思いきや、…

動作がひとテンポ遅れてしまう

最近ちょっとヘンじゃないと感じることが多い。歳を重ねると、元気でいることがとても求められるからです。この歳まで使った身体、茶碗だって欠けるし、下着だって黄ばんでくるのに元気でいられるわけがない。 ある作家いわく「元気でいることが求められるあ…

絵巻の見事さ

目黒区にある、和の洒落た建物・大塚文庫をまるまる借り切ってのイベントに行きました。装芸画の船田春光さんの招待。 この絵は布を貼り付ける技法。源氏物語などの各場面が鮮やかに蘇ります。細部まで様々な布を駆使して目の前に、物語の人々があらわれるよ…

毛糸のがま口

主宰する雑誌の読者で、繊維問屋の多い岐阜で織物店を開いていた女性から、毛糸で編んだがま口が送られてきました。 デザインが凝ってて大きさも手ごろ。自分の店の倉庫で展示会を開いているとのこと。 展示会は毎年のようにあり、編み物の好きな方達と月1…

人の言葉に迷わないで

心のメンテナンスの方のインタビューでロバを売りに行く夫婦の話を、聞いた。 奥さんをロバの背に乗せて市場に向って歩いていたら、「女がいばってる」と陰口。 旦那さんがロバに乗ったら「奥さんを歩かせるなんて、男尊女卑よね」と言われた。 夫婦ともロバ…

高村薫で読書室

10月の「女性作家で読む読書室」は高村薫。時事的なものやサスペンスが多いのですが、今回はある女性が息子に出した100通もの手紙を駆使した『晴子・情歌』を主に取り上げました。 主人公が生まれた時代は戦争ただ中。5・15事件等不穏な空気のころで、ひとり…

楽しいひとときは友と

写真は泊まった旅館の図書室。先日、スペース「すてーじ・刻」のスタッフみんなと小さな旅に。泊まったのは歴史のある古い旅館。木をふんだんに使ったとてもなごむところ。静かで驚くほど。朝まず向かったのはハーブ園。木々の優しいこと。ゆっくり散策し、…

モノによくぶつかるようになった

モノを書くときに悩むのがが表現力のなさ。どうするか。ちゃんとしたプロの作品に学ぶべしと話します。学ぶ相手のプロとは、専門を持っている方の作品がおすすめ。画家、建築家、医師、料理人。いちもつ持つ人の見方は、ドキッとするほど深みがあるのです。 …

色を慈しむということ

「色という言葉はエロからきてるんじゃない?」と驚くことを言うのは染色家Aさん(68)。人はもともと色欲があっていろんな色が欲しくなるんですって。 昔、色は七色くらいしかなかったのに、今は化学染めで膨大な色に。でも皮膚によくないものもあるようで要…

人やモノに追いかけられないで

今日は二胡の練習日。もう何年も経つけれど、人さまに聴かせるなんてとんでもない。生活の一部に音楽がほしかっただけで始めたもの。いつもやってることと、違う場面を持ちたいから。うまくなろうとは思わない。なんで二胡?軽いから。このごろは服もカバン…

音楽療法士って知ってる?

ある集いで知った音楽療法士。脳梗塞で、寝たきり、顔の皮膚のこわばりあり、失語状態の方に寄り添い、5年かかつたものの、感情が表に出てきたという。音楽は大脳の深部に直接届くらしい。よく寝たきりでも耳は聞こえてるからと、ラジオやレコードを流しっぱ…

市の広報誌に掲載されました

市発行の女性情報誌「ミズスクエア」10月号に掲載されました。テーマは「今の自分を発信し、みんなとつながりたい」。フリースペースの取り組み、女性誌の発行、また新聞記者として40年働いてきたことなど紹介。驚いたのが、取材にきたのが、30代の女性ら5…

お付き合いの基本は

「楽しいことを語り合うことが人間のお付き合いの基本なのに、人間は用事のために付き合う関係ばかりが主流になっていないか?面と向かって「こんにちは」から始まり、機嫌よく話をして、「今日は楽しかったね」と別れる。そんな人間関係を、もう一度大切に…

じっと見つめていたい

なまえをわすれたら 「あそびましょ」で いいでしょ 一年生の詩。そう、これでいいんだね。 取材で出会った人の本を読んでいてこんな話に出会った。 最近の子どもの虐待、イラクなどへの爆撃で子どもたちが殺されていることを知ると、苦しくなり、こんなにも…

忙しいって、心を「亡くす」こと

江戸時代、心こそが人として最も大事だと言われたようで、忙しさは「心」を「亡くす」こと、心をなくしたら人間ではなくなると考えたようです。「江戸しぐさ」の越川さんの話を聞いたとき、知りました。だから人から「お忙しいですね」と言われたら、顔を赤…

住み続けることが、たたかい

山本洋子映画監督にインタビューしました。来年完成予定の「矢臼別物語」。朝ドラさながら、苦難の上、やっと開拓した土地を突然、自衛隊の演習場にされてしまったら。土地をあきらめ、ほとんどの農家が出て行く中、だった2軒が、「どうして出て行かなくて…

いのちが大切なのは、たくさんの人の祝福の累積があるからこそ

以前紹介した長野・上田市にあるエディターズ・ミュージアムの館長荒井きぬえさんの幼いころを綴った父親の作品から。 「私はお前をえた」という一作。荒井さんが生まれたときのことを書いています。 「お前のお七夜ということで、十何人ものお客様だ。~私…