1月27日は百人一首を取り上げました。毎年1月は百人一首の女性歌人をとりあげています。
今回は右近。とりあげた歌は「わすらるらをば思はず誓ひてし人の命の命の惜しくもあるかな」取り上げた本は「ときめき百人一首」小池昌代、女房三十六歌仙の抒情」田中阿里子、「ねずさんの日本の心で読み解く百人一首」小名木善行、「鑑賞 百人一首」石田吉貞 など。
思いが届かない人への恋慕、寂しさ、そして痛烈な皮肉がからまつている歌と思つていたものの、「もう私のことなんてどうでもいいのよ、誓いを破るなんて何が起こっても不思議はないから。あんた、命は惜しくないの?」と啖呵をきるという豪快な歌と解釈している書もあり、面白くなりました。
なかでも国学者賀茂氏が「 恋の歌を、騙し合い、興奮、偽善なととしか理解しない人は、人の持つ詩の最も美しい部類を、みずから放棄してしまうもの。百人一首はこの歌を、素直に美しい愛の歌ととらえている。それを忘れたくない。と指摘してること。知り、納得。
素直に歌の世界を楽しむべしと痛感しました。
次回は4月27日土曜日 円地文子の「女坂」です。