好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

チャンスって流れ星のごとくある

フリースペース「すてーじ・刻」で企画した「ひとり語り」は震災の関係で六月四日に延期。先日、語る熊澤南水さん(七十歳)に会い、見過ごしていたことに気付かされました。
小学六年で養女となり、結婚後も店の切り盛りと五人の子育てと同時に、大姑、姑、叔母、叔父と何人も介護で看取った後、四十歳から語りを目指す南水さん。舞台に立つチャンスが来たのは勉強して一年目。代役でした。語れるのはたった一作のみです。
「断ったからといって来年こんなチャンスがあるとは限らない。声がかかったときがチャンスと受け止める生き方がある」と堂々と言います。
チャンスってみんなの目の前を流れ星のごとく流れているそうですよ。手を伸ばしてつかむかつかまないかはその人にかかっているのに、ほとんどの人が見逃しているとか。  
目を開いて見ることでチャンスはごまんとあるはずだと。
 そう考えるとチャンスには情報も入ります。何かひっかかったら、あなたへのメッセージなんでしょう。もったいない、見過ごしてるぞと思う人もいますが、それもあり。それがその人の生き方なんですから。余計なことをするとおせっかいになります。
南水さんが心配したのは「私は今のままでいいのよ」と勘違いしている人。尋ねて納得しました。今を維持するには努力しなければいけない。世の中は変化して伸びていくわけだからそこに合わせるには努力が必要なんですね。
この日の南水さんは着物でした。結婚してから一度も洋服を着ません。バッシングはそれはきつかったようですが、「どうみたって洋服より着物の方が素敵だもの。同じ生きるなら素敵な方がいい。公演で着物を楽しみに来るお客さんが増え、これにつながったんだと分かった。答えってずっと先になって出てくるもの」とニコッ。
 みんな何となく人の目や耳が気になって平凡な道を歩いてしまう。やればいいのです。そうしたいと思うところには何か意味があるはず。やらない理由なんて探せばごまんとあるのですから。