校正の仕方を教え、「赤字入れられますか? 誰か手伝ってくれないかなあ」と言うと、目を真っ直ぐ見て、「人はやろうと思うとなんでもできるようになる。やろうとすることが人であることじゃないかしら」とグサリ。ごもっとも。
目の不自由な方たちに新聞を読んであげたくて、文字を習っていたことがありました。今あるものを大切に使いたい。目が見えるのだから目の見えない人の役に立ちたいのだと。
「人には誰にも可能性があり、役に立つことが人の努めではないかしら」。
しゃべっているうちに、もっと原稿を入れたくなったというAさんに、「じゃ、打ち込んでメールで送ってくれますか?」と頼んだところ、なんと二日後に二千字の原稿がメールで送られてきました。
Aさんが以前話してくれてことを思い出しました。「大切なのは人として生きていくということ。大変なこともあるけれど避けていてはだめ。それが生活するということだもの」。
一月、出版します。