好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

家族の、限界。

脚本家.山田太一は家族の中で起こるさまざまな問題をドラマ化しています。

人はあるべき家族の理想像を浮かべ、それに少しでも近づこうと努力する。それはいいことなのですが、とても美しくて美味しいケーキのような家族像を作ろうと、ついあがいてしまう。そんなきれいごとの家族なんて、あるわけがないのにね。

山田太一は「岸辺のアルバム」「それぞれの秋」など、一皮剥けばバラバラで、何か大きな出来事があると、すぐさま崩壊する脆い姿を、描いています。

平和に見えた家族の裸形がさらされ、逃げられない運命共同体としての家族を受け入れろことから、山田太一の作品は、再生を果たしていきます。

家族というものは思い通りにならないもの。しかも誰もそこから逃げることも出来ない。

だからまずぶつかる。「限界」がみえる。そんなことを家族というあり方が教えてくれると言います。

私たちは、世間、職場、地域と、「とりあえず」の人間関係に取り巻かれています。でもほんとの自分の姿をさらけだせるとこは家族しかないのだと。

「家族というのは、自分の顔と同じで、選ぶことは出来ない。それは人間が出会う最初の限界だろう」。山田太一の言葉です、