好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

みんなココロに一粒の種を持つ

平凡な一日/いつもと同じことをして/いつもと同じように過ごす/でも、この「いつも」が幸せの原点/同じことしかできないのではなく/同じことができる幸せ/ありがたい

絵ことば作家・Tさんの作品です。コロナ禍の今にズシンときます。

 

キャラクターは「たねこちゃん」。頭にちょこんと若葉を載せて、ポツンとつぶやきます。

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「変わらなくてはいけないこと/変わってはいけないこと」「みえないけれど/大切なもの」「代わりはどこにもいないから」「ふり返ればちゃんとある」

 

これらは小さなカレンダーに載せた言葉。

 

彼女には悶々とした時期がありました。母親らしく生きないといけない、子どもを愛せない自分が悪いと自分を痛めつけました。でも、ある講座で、そんなことが苦手な人だっている、世の中にはそういうことだってあるんだと思え、気持ちが軽くなりました。「自分を知る」ことを学んだ一歩でした。

 

「たねこちゃん」はある雑誌のキャラクターマークに採用されたのがきっかけで誕生したもので、ここからイラストレーターの道へ。

 

実は人と関わることが苦手なTさん、子育ての「重さ」には自分の成育歴が反映していたとか。上手にその歳、その歳を「処理」できず、不安定な状態の上に不安定なものを積み重ねため30歳のとき持ちこたえられなり、崩れ、ウツに。土台を崩して組み立て直し、自分を積み重ねていく作業が必要で、それは傷ついた自分をそっくり引き受けることでした。

 

やっと自分と付き合い上手になったとき、自分ができることはと模索し、「できるのは種まきくらい。育てるのはその人自身。途中で枯れるかも知れないし、うんと伸びていくかも知れない。でも枯れたらまた種をまけばいい」と。

 

自分と付き合い上手になりました。そんな経験をしたからこそ、「いつかしんどさがやわらぐときが倀と伝えたくて絵ことばを作った。解決はしてあげられないけれどしんどい時間をやり過ごすお手伝いはできるのですから」

 

私が大好きな言葉はー「みんなココロに一粒の種を持つ/いつか春が訪れて芽生えの時がやってくる」