好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

再度、東京新聞社会部の望月いそ子記者にインタビューしたこと。続きです。

小柄な体から立て板に水のごとく言葉が返ってきます。まずは米誌「タイム」が「世界で最も影響力のある100人」にテニスの大坂なおみ選手と、自らの性暴力被害を公表したジャーナリスト伊藤詩織さんを選んだことを喜び合いました。

 

 実はNHKの国際部のディレクターの女性ら2人がずっと詩織さんに密着していたとのこと。でも会社から出張許可がおりず、フランスや韓国に自腹で行って、慰安婦団体と会う詩織さんを撮影したとか。

 

福田淳一財務省事務次官テレビ朝日の女性記者へのセクハラ問題を機に、Women in Media  Network という、女性のメディアに関わる人たちを集めた団体が立ち上がり、望月さんもメンバーに。「詩織さんの告発が多くの女性達の背中を押した」と喜んでいました。しかりですね。

 

私が一番聞きたかったのは、菅首相の出馬会見で、望月さんの質問に他の記者が笑っていたこと。この態度はなんなんだ。あんたたちこそ、もっと政府を追及すべきだろうが、と。

 

「いつものことです。菅首相官房長官の時、会見が終わった後、番記者は裏で菅さんを囲み、オフレコのやり取りがあるのですが、私の厳しい質問に菅さんが答えにならないことを言った後は、みんなでガハガハと笑い、『今日もしてやりましたね』と言っているのだから」。ゾッとしましたね。

 

かつて田中角栄は「番記者ほどアブナイ奴らはいない。クンクンと尻尾を振っているが、懐に刀を持っている。いつ刺されるかわからないぐらいの覚悟で向き合え」と言ったとか。

 

そのような記者が今、いるのだろうか、望月さんは問いかけます。記者とは国民が知りたいと思っていることを権力から問いただすことと思うのですが。

 

 望月さんが記者になるきっかけはフォトジャーナリストの吉田ルイ子さんのアパルトヘイト問題を扱った本を読んで。共感したこと。日の光の当たらない人たちに徹底して目を向けているところで、望月さんも「記者であるからには、常にマイノリティ側でありたい」と心しています。

 

 同じく最後までマイノリティでいたいと言ったのはニューキャスターだった筑紫哲也さん。小泉純一郎氏と仲が良かったようですが、小泉氏が首相になった瞬間に「これからはあなたを権力者として向き合っていきます」と手紙を書きます。距離を置きました。著名人では珍しいことですね。

 

「読者の知りたいことを書き続ける」と言う望月さん。なによりも応援する人たちが支えになると知り、応援を届ける大切さを認識しました。