好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

自分史を書く

84歳の方が人生をまとめたいとのことで、2時間半かけてお宅へ。ひとり暮らし。親は北海道の開拓民。産後の肥立ちが悪く母は寝たきり。父は母を介護しつつ働き詰めで彼女が7歳の時に亡くなり、母も追うように亡くなります。残されたのは彼女の上に4人の子ども。15歳の一番上の兄が父親の借金をなんとかまけてと、親戚に頭を下げて回り、子どもたちはバラバラに引き取られます。彼女が行った先は、今日でも有名な俳人のところらしいのですが、そこの家なの人が出かけるときはひとり、鍵をかけられてでられないようにされたり、茶碗1杯とおかす1品。いつもひとり小さ部屋で食べていたとか。心配した兄が突然やつてきて、「悪かった。一緒に帰らう」と連れにきてくれたときは、抱きついて涙が止まらなかったといいます。小学2年でした。子どもたちだけの暮らしは貧しくてものびのびして幸せだつたと振り返ります。戦後すぐのこと。こんな生活があつたのです。その後、世の中のおかしさに、いろんな運動に参加していく彼女。戦後を生きたこの世代だからこそ書けるものがある。書くことは義務ではないかなと、ハッパをかけてきました。まとまるまで支えます。