好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

エッセイは上から目線で書こう

先日のエッセイ塾の日のこと。生徒さんが休憩時間に読んでくれた知り合いからのメールに、思わずわが身を重ねちゃいました。〇〇には自分の思う年齢(60?  70? 80?)を入れてどうぞ。

 

「恋に溺れるのが18歳、風呂で溺れるのが〇〇歳。道路を暴走するのが18歳、道路を逆走するのが〇〇歳。心がもろいのが18歳、骨がもろいのが〇〇歳。偏差値が気になるのが18歳、もう何も覚えていないのが〇〇歳。まだ何も知らないのが18歳、もう何も覚えられないのが〇〇歳。自分探しをしているのが18歳、みんなが自分を探しているのが〇〇歳。家に帰らないのが18歳、家に帰れないのが〇〇歳」。見事! 言いえていて覚えがありますねえ。

 

 だからというわけでもありませんが、エッセイはぜひおすすめしたい。自分の考えや思いを表す作業のため、それがないと成り立たず、ボヤ~と過ごしていてはとてもまとまらないシロモノだからです。この日の宿題は「読書エッセイ」としました。読書感想文ではありません。

 

コツがあります。「上から目線で行け!」。作家が言いたいことを代弁してあげるかのようにまとめる人がいますが、これはダメ。作家にひれ伏しては情けない。もっと偉そうでいいのです。

 

「私をこんな気持ちにさせるなんて、あんた、たいしたもんじゃないの」と、デカイ態度でいきましょう。いくら著名な作家でも、著書におうかがいをたてる姿勢ではいけません。自分にどんな刺激を与えてくれたか、どんな未知のことを知らせてくれたかが大事で、その部分こそテーマにします。些細なことも、それで自分の視点がわずかでも変化するなら、その視点で身の回りを見直すと違う世界が現れるはず。この調子で書いてこそ感想文を超えてエッセイになるのでは。

 

 画家がしかりです。自分の見方を独自のスタイルで表現し、決して描く対象にこびません。「読書エッセイ」も同じと言えそうですが、でもやっぱり難しいと言っている生徒さんの顔に、宿題は2か月後でよしとしました。言うは易しなんですよねえ。