好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

20年前の自分は~

私が編集する女性誌が創刊20年を迎えたとき、投稿「私の20年」を募集。20年前の自分と今の自分を比べてもらった。

〇Aさん 「自分らしく生きる」。これがかつての自分のテーマだった。今は「あるがままに生きる」に。「自分らしく」とか「個性を際立たせる」とか、そんなことはもうどうでもいい。「自分らしく」とこだわればこだわるほど、どこかに他人と比較しようとする気持ちが隠れている。ただただ自分が素直に感ずるままに、欲するままに、自然体でやればいいじゃないか。最近ようやく「何々せねばならぬ」という呪縛から解放されつつあり、身が軽くなった。

〇Bさん シニアの仲間づくりをしているが、長い間の仕事や子育てで、知らず知らずのうちに染みついたことを無意識に始める自分がいて、「あっ、同じことしてる。これまでやってきたことは無駄ではなかったんだ」と気付き、長く頑張ってきた自分をほめてやろうと思った。決して順風満帆な時ばかりではなく、逆風に押し倒されそうになったことが幾度も。この年齢になっても考えることがたくさんあるが、若い頃と比べると楽になった。自分にとって必要なこと、そうでないことが分かることができるようになったみたい。

〇Cさん 夫婦で事業を立ち上げてきたものの肉体労働がこたえる年齢になり、「いつかは閉店する時が来る。それはいつ…」と不安を感じていた時、突然降ってきた親の介護。片道百20キロを介護に通い続け、どちらかが倒れる寸前という時を迎えていた。これが人生の後半?考え続け、抜け出すにはどうするか。と、頭の中で源義経が橋の上でジャンプしている姿。そうだ。右、左、前、後ろと動くのではなく、上に跳ぼうじゃないか。その瞬間気持ちは実家に着地。そして60代後半の私たち夫婦は小さな船で漕ぎ出した。20年前小さな事業を始めた時だって八方ふさがりだったもの。大切にしたいのは「ふだんの暮らし」だから。

 さてあなたの20年はー。