好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

気持ちがまるで通じない夫と暮らすということ

主宰するエッセイ塾の生徒さんの本を製作中。60代後半の女性。凄まじい日々を淡々と

綴っている。夫はどうも発達障害らしいと分かったのは最近のこと。フライパンがダメになって近くのスーパーで買おうと思ってもダメ。夫の親戚の金物屋から買えと言われる。でも金物屋まで2時間もかかるのに。すへての金物はそこから。外面のいい夫なのだ。子どもが病気になったとき、医者に見せるのを、禁止された。「子どもは犬、猫とおなじ。ほおっておけば育つ、」だって。近くのスーパーに買い物に出掛け、途中で知り合いと立ち話。帰るや玄関に仁王立ち。「近くなのにどうしてこんなにかかるのだ!」食事にも悩まされている。ある日湯豆腐を作つたら、正月も盆も、それ。他は絶対食べない。どうしてこんなオトコと結婚?それはもうアタックだったのだ。愛してくれてると思った。でも結婚したとたん、まるで彼女に無関心。欲しいものはなんとしても手に入れたいが、自分のものにしたら、興味がなくなるらしい。じゃ彼女はどうしたと思いますか?最初は泣き暮らしたのですが、ここで生きるしかないとなれば、ウソをつき通して生きることにしたのです。もととと学ぶことが大好き。ても映画も美術館に行くのも「遊び人」のやることとして禁止せれたため、遠くに買い物に行ったことにしたり、友人に口裏合わせしてもらいました。それでも文句たらたらの夫に適当にあわせたのです。よく勉強してます。公民館の講座はむろん、絵画教室に入り、私のエッセイ塾には14年も通っています。やりたいことは通します。帰るたびに嫌味たらたらてらの夫ですが、言うがままに。でも一番悲いあのは意思疎通出来ないこと。なにかに感激して帰っても、夫は無視。言葉を交わすことはなし。そんな日々を何十年も。原稿を読んでいて、自分ならこうできただろうか、と彼女に頭が下がりました。すごいことを成し遂げる人もすごいけど、どんな境遇でも自分のやりたいことを成し遂げていく姿勢。すごいとしか言葉がありません。彼女の3冊目の出版となります。