年齢を重ねると自分をついつい甘やかせてしまいますが、作家・吉武輝子さんはハードルを高くして生きていましたね。
なんと63歳で俳句を始め、64歳で大学講師、65歳で歌、77歳から書道。
「あなたならできるわよ」というおだてに乗って楽しむのです。
「人生、平らなのもいいけど、それでは景色は変わらない。山あり谷ありの方がいいじゃない」なんていいですよね。
もうひとつ、よく話していたのがムダのすすめ。吉武さんは肺がダメで腹式呼吸で声を出していました。昔、文学座の研究生だったときにそれを身につけ、俳優は断念したものの、今それが役立っているというわけ。
若いときにムダと思ったことも長い間には役立つこともあり、「ムダな種もまいておくものだ」とか。
私たち世代へのひとことがズシンときました。「今の学生は過去が闇になっているから現時点が分からないし未来が見えない。早く目覚めた者は遅れてくる者を待つ義務がある。大人は時代の語り部にならなくてはならない」と。
私たちもそうありたい。