好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

女性作家で楽しむ読書室

10月27日の「女性作家で楽しむ読書室」では篠田節子を取り上げました。ホラー小説が多く、彼女が作家として学んでいた時、ホラー作品花盛りだったのでは、とのこと。小川洋子などもそうらしいのです。
時代と切り結んだ作品、病巣を見つめたものが多く、それも真っ向から問題を「正当」な回答として展開するのではなく、独自の視点があり、そんな見方もあるのかと驚かされることが多々ありました。
最先端の技術、科学の知識があこちにちりばめられ、ミステリアスに。それも普通の家庭や男女が巻き込まれていくのですから、怖いことの上ありません。
サリン事件の後に発表された「ゴサインタン」は、失踪した妻を探してたどり着いたのは神の山「ゴ後さイン」。魂の再生を力強く描きます。原発事故の前にかかれたのが「斉藤家の核弾道」。「国家主義カースト性」で超管理国家となった日本で、家を政府の策略で追われた斉藤家。政府の汚いやり方に家族を守るために核弾頭を手に立ち上がるのです。
女性の働き方を取り上げたのが「女たちのジハード」。保険会社に勤める5人のoL。失望と絶望を繰り返しながら人生を切り開いていきます。
今回取り上げたのは「離婚式」と「冬の光」。長年連れ添った夫婦が胸に深く抱えている闇を明らかにします。どう生きたのか、どう生きたいのかを問いかけつつ、人は見えている部分しか分からないものだと教えてくれます。
交流では自分たちの置かれている状況も出され、心の持ち方や考え方について話し合いました。
それにしても篠田節子は、多彩なテーマの作品があり、感動するばかりでした。次回は1月26日(土)。百人一首の女性歌人を取り上げます。