好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

80代の今も「進化中」

80代のAさんの仕事はトータルコーディネートファッション。惹かれるのは、研究熱心なところです。

 

服飾専門学校に入ったのが25歳。請われて教師として残った理由は、「他の人と違って個性が強い」ところ。それだけに反発も強く40歳直前に独立。働く女性が社会にたくさん進出していたころで、彼女たちを応援する洋服を作りたかったのです。

 

店舗は持たず、マンツーマンのやりとりで「シンプルで動きやすく、その人の雰囲気にあった服」。お客さんとのコミュニケーションを大切にし、気に入ると、何年ものお付き合いが続き、今も注文があります。

 

次に始めたのが肌のスキンケア。「洋服を縫っていると、目につくのが顔。いくらいい服でもお顔がダメじゃねえ」と肌の勉強を始め、アドバイス

 

そうなると、、素敵なところを写真に撮ってあげたくなり、昼間仕事して夜間の写真学校に通い始め、自宅に暗室も作ったほど。

 

写真をやっているうちに、写真学校で課題が出たこともあり、職人の生き方に惹かれ、撮影に通い始めます。竹かご職人、レンコン農家の夫婦等。「どの人も仕事に誇りを持っていて、どうしたらいいものができるか努力している。その姿に惹かれて」とAさん。

 

「無から有を作りたい。考えて形にしていくのが楽しい。夜中でも、ハッとして起きて調べ始めることもある」

 

充電のために20年以上、毎年通うフランスでは、ホームステイをして語学学校に通い、フランス語を学んでいます。コロナ禍の今はオンラインで勉強中。フランスの古本屋で見つけた絵本の翻訳を始めました。「探究することが大好き。新しいことが分かるから」。

 

ただいまは老化していく自分の身体を「探究中」。長く歩いて生活できるよう、医学書を読み、専門家の意見を取り入れ、自分なりのメニューをつくって実行します。「鵜呑みにしない」のが鉄則です。

 

日課は自宅の姿見に全身を写し、背中が曲がっていないか「点検」すること。努力することが面白いのです。

 

自分の歳をつくづく考えてしまいましたね。