好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

生きるのに遠慮はいらない

27日に「女性作家で楽しむ読書室」を開きますが、取り上げるのが、上野千鶴子の「在宅死のススメ」。なかなか面白い。

認知症になつたらひとりで暮らせないから」「火事でも出されたら困る」また「どこても排尿してしまつて臭い」などと言われるけれど、言ってるのは誰?本人ではなく周りの息子や娘、または近所の人。

実践例を見ると、ひとり暮らしの認知症の方より施設などに入った方の方が、生きる気力が無くなってるとのこと。なぜか?認知症になると、その時の感情のもとに行動するわけで、はたから見ると、周りに迷惑なのにとか、人目があると、なる。同居などだと、周りが気にして本人を制してしまうのですね。

でも1人で暮らしてるとそんなことはない。好きにしたいことをして、介護を上手く利用して、好きに過ごせばいいわけ。

こんな例がありました。ある日子どもが親を訪ねたらすつぼんぼんになつててびつくりしたとのこと。でも自宅はプライバシーの場。何をしようと勝手で、裸でいるのは清々しいモノ。本人はそれが気持ちいいんでしょうね。

それが施設に入ると、傍迷惑、セクハラとなるわけ。ナチの収容所から生還したフランクルは、「異常な環境のもとでは異常な反応が正常なのだ」と指摘してます。

だましうちのようにして施設に入った認知症の方が「家に帰りたい」とあばれるのは、当たり前の正常な訴えなわけですね。

今、認知症にならないためにと、認知症ドリル、薬、運動などすごいですが、認知予防なんて無理みたい。誰だつてなる可能性ありで、むしろ認知症は自己責任という考え方が広まることこそ恐ろしいのでは。

むしろ出来なくなるときにちょっと助けてくれる人を見つけることこそ、今やるべきことなのでは。

生きるのに遠慮はいらないのです。助けてもらって、好きに自宅で暮らしたいですね。読書室か楽しみです。