好奇心のまま~瀬谷道子が見つけたこと

インタビューしたり取材して、はっとしたことを紹介。いいこと、楽しいことはまだまだこんなにあるよ

エッセイを書く

答えはひとつではない

エッセイ塾では生徒さんに学ぶことが多々あります。世代が異なることも、自分では思いもつかない視点に出会える面白さがあります。 エッセイの作品づくりには、平凡の中に非凡さを見つけることが肝要で、常識的な見方をいかに転じてみせるかが勝負どころ。平…

高校生の一行詩「父よ、言いたいことがあつたらはっきり言え!  母よ、言いたいことをそのまま言うな」

ものを書くにはユーモアがなくては面白くないし、読んでいて「ほっとするなあ」「きっといいことあるかも」という暖かな気持ちがもらえなくてはつまりません。人の心をゆするのはそうしたハートです。1994年、高校生がつづった一行詩「父よ、母よ」がテレビ…

私の「三丁目の夕日」

「私の三丁目の夕日」という作品を宮城県のAさん(72歳)が送ってくれました。映画にもなった「三丁目の夕日」。昭和30年代のノスタルジックな思い出の町に、心が喜ぶと言います。 Aさんの実家は印刷所でした。近所の人は「かっぱん屋」と呼び、「なぜカッパ…

靴下の穴の繕い

今はまだまだ体力も頭もそれなりの熟年世代。とは言いつつ、80代で本が出版できるかとと問うなら、疑問です。 今月、私が出版を手掛けたのは、エッセイ塾の生徒、Oさん(84歳)。3冊目です。 最近、体調を崩してお休みが続き、「もう来れないのでやめる」と言…

耳だけになった母

人を動かすのは言葉です。どんなに相手を思っていても、伝えなければ分かりません。そのひとことが人生を変えることがあります。 Eさんの「ひとこと」は、母を亡くしたときにもらった知人の手紙と、その頃たまたま目にした詩でした。 実家は阪神淡路大震災の…

答えはひとつではない

エッセイ塾では生徒さんに学ぶことが多々あります。世代が異なることもあり、自分では思いもつかない視点に出会える面白さがあります。 エッセイの作品づくりには、平凡の中に非凡さを見つけることが肝要で、常識的な見方をいかに転じてみせるかが勝負どころ…

新刊「あした転機になあれ」の反響続く

愛知県豐田市の中根さんからは25冊の注文かありました。中根さんは第3空間絵画教室や朗読会を開催。生徒さんが絵を描いているときに、本の中からひとつずつ読んで聞かせたところ、多くの方が手にとってくれています。「文が短いのもいいし、書いてあることが…

心が錆びないように

『徒然草』に「刹那をはこんでいく」とありますが、「運んでいく」という感覚が大事で、目の前のことを丁寧に心を込めてし終えていく、その接続が人生だからという意味です。 以前、取材していてドキッとしたのは、老化すると人を祝福できなくなるということ…

出版を祝って

エッセイ塾では生徒さんが出版すると、みんなでお祝いします。書き上げ、まとめるというのは大変な力が必要で、忍耐力のいる作業。その健闘を祝い、喜び合う場を必ず設けています。こうした場で締めくくってこそ、みんなで書きあうということの嬉しさにつな…

生徒さんが本を出版しました。

エッセイ塾で2年かけて書いた作品をまとめています。題名は『私のおしゃべり』。46頁の本です。 日頃思っていること、知らせたいこと、面白いこと。ほんの小さな出来事が短編になって続きます。誰にでも起こること、体の変化、ささいでも、だからこそ共感が…

95歳の人形作家

手編み人形作家の柿原寿恵さん(95)の個展へ。人形はたった1本の糸で編み込んで仕上げるもの。胴体部分、鼻や手指。さらに洋服、靴、帽子まで。色合いが薄く淡い上、目や口は刺繍で線描きのようにしているため、穏やかで優しい表情の人形です。 テレビドラマ…

エッセイ塾の生徒さんが出版します

エッセイ塾の生徒さんのひとりが脱稿。2年分の原稿をまとめました。表紙の写真はお連れ合いが撮るそうです。題名は『見上げれば青い空』。最初に出て来るのがコロナのこと。コロナ禍の中で何を考え、どうしたのか。せっかく簡素に暮らそうと引っ越ししたのに…

自分史をかきませんか

エッセイ塾ではこれまで60冊の本を作りました。エッセイを書くことを勧めているのは、特に60.70代の方では今の時代では考えられない体験をしているからです。今、自分史を書いている方は京都に住む70代の元保母さん。昔は保育園がなくて、親たちが自主的…

書き続けるには力がいる

2月18日、エッセイ塾で四年ぶりに作成した文集づくりの完成を祝いました。みんなの作品をコピーして、各自が思い思いに自分だけの1冊に仕上げて持ち寄り、お披露目となります。やり上げた努力を称えて、お菓子と飲み物持参の祝いとなりました。 互いに教え合…

私の「三丁目の夕日」

「私の三丁目の夕日」という作品を宮城県のA子さんが送ってくれました。映画にもなった「三丁目の夕日」。昭和30年代のノスタルジックな思い出の町に、心が喜ぶと言います。 Aさんの実家は印刷所でした。近所の人は「かっぱん屋」と呼び、「なぜカッパなの?…

感性を磨く

12月のエッセイ塾ではモノを書くには五感を練る修業に心を配る大切さを話し、具体例を紹介。私の一番好きな 作家・三宮麻由子の作品です。耳が不自由な方です。味わってください。 あれは住宅地に降り注ぐ雨の真っただ中にたたずんでいたときだった。私 の耳…

モノによくぶつかるようになった

モノを書くときに悩むのがが表現力のなさ。どうするか。ちゃんとしたプロの作品に学ぶべしと話します。学ぶ相手のプロとは、専門を持っている方の作品がおすすめ。画家、建築家、医師、料理人。いちもつ持つ人の見方は、ドキッとするほど深みがあるのです。 …

じっと見つめていたい

なまえをわすれたら 「あそびましょ」で いいでしょ 一年生の詩。そう、これでいいんだね。 取材で出会った人の本を読んでいてこんな話に出会った。 最近の子どもの虐待、イラクなどへの爆撃で子どもたちが殺されていることを知ると、苦しくなり、こんなにも…

忙しいって、心を「亡くす」こと

江戸時代、心こそが人として最も大事だと言われたようで、忙しさは「心」を「亡くす」こと、心をなくしたら人間ではなくなると考えたようです。「江戸しぐさ」の越川さんの話を聞いたとき、知りました。だから人から「お忙しいですね」と言われたら、顔を赤…

当たり前の大切さ

今日も昨日と同じでつまんないと思っていませんか? 朝起きて、ああ今日も目が覚めたとほっと安堵すると話してくれた方は、病院のベットにいました。ああ、今日も昨日と同じことが出来る、ありがたいとつぶやいた人は年配の方でした。昨日と同じことが出来る…

エッセイは誰のために書く?

昨日の出版パーティに初参加の女性。いわく、だらだら書いててつまらない、何を書いたらいいか分からない。そして、上手くなりたい。ん〜。それは無理かな。上手いエッセイって、書店で売ってる本のように?私はエッセイ塾の開口一番、上手いエッセイなんて…

エッセイの出版パーティ開く

8月20日のエッセイ塾は出版パーティ。出版したのは先にYさん(八四歳)。たくさんの煮物等のパックとともに登場。体の不調等で塾から遠ざかっている80代の方たちも駆け付けました。出版パーティにはみんなに声を掛けます。「書き合う」仲間のつながりはかけが…